unknown

フィクションであれ

20220920

まとわりつく空気が私を守ってくれないと感じたら秋だった。寒くなるとなぜかいつも寂しくなる。夏は暑いから、その暑さに心も体も溶かされた気になって、冬は吹く風が私を刺すようだから、それに心も攫われて寂しく悲しくなるのかもしれない。今日、人と話しながらも、頭の中で考えることは専ら寒いだったし、台風14号の文字を見て、この台風以外の13個を私は知らないなとか考えていた。そんなふうに、久々の大学の講義の日を過ごしながら、図らずも言語化してしまった、私が表層的な関係を求めている理由が想定より寂しいもので困った。自分のこの気持ちが、私の中の何かが埋まらない感覚であることはわかっていたけど、今の私にはそれを埋める術はないし。もう、今の私の事足りなさに傷つくことはしないけど、いつでも私の足を引っ張るのは私はここに呼ばれていないという感覚で、私が夜な夜な渡り歩く場所は私でなくても成り立ってしまう私自身に価値を見出すことが難しいところばかりであることが私を傷つけているのだと思うし。これだった。それにしても「タバコの秋ですね」というツイートを見つけたのでこの冬も乗り越える気概が湧いた。そうだった、寒くなれば煙草がおいしいのだった、あとたい焼きも。私が夏になる前に唯一寒さが名残惜しかった理由がたい焼きが今よりおいしくなくなるかもしれないという危惧だったことを思い出した。夏にたい焼きは食べなかったから、夏のたい焼きがおいしくないかどうかは知らない。