unknown

フィクションであれ

20221025

気づけば10月も終わる。少し前に10月になったと思ったばかりだったのに。気づけば人々はヒートテックを着るし、もうアイスコーヒーを頼むこともなくなった。少しずつ肩こりが起こっているし、朝シャワーをしたあと家中を下着で歩くのが苦しくなってきた。熱々のたいやきがおいしいし、油断すれば冷めてしまう季節がもうすぐそこだ。

 

最近私は苦しくない。寂しくもない、悲しくもない。ごはんはおいしいし、人と飲むお酒もおいしい。今日は1限が終われば4限まで暇な日で、有り余る時間を前にそうだ四条に行こう!と友人を引き連れて行った。錦市場を歩いていたら日本酒の瓶が目に止まって、それを見逃さなかったおじさんが日本酒を2種類飲ませてくれた。おいしかった。煙草は、冬になるとより一層おいしい。ハイライトのメンソールを吸っています。

 

朝、友人と苦しみや辛さは文章に書けるけど、幸せだとぱったりとそれがなくなる。文字にする必要がないんだろうね、と話した。なので今回は私が今いかに満ち足りているかを書こうと思う。

 

私にはすごく好きな友人がいる。いつもお酒を飲んでびーびー言っている私を家に入れてくれて、何飲む?と言ってお酒を出してくれたり、餃子を焼いてくれたこともあった。私はあの人と話す時間が豊かで、お互いに無防備で、好きだ。あの時間、私は誰にもしていない表現で私を開示する。いつも夜が更けて(朝になって)、そろそろ寝なきゃねという頃には、部屋が私たちがお互いに打ち上げた風船でたくさんだと、そんな比喩をしたくなるような気持ちになる。それを踏んで破らないように、慎重に隙間を探して、おやすみと言いあって寝る。私はあの時間が好きだし、あなたが好きだよ。

 

好きな彼が恋人と別れたそうだ。また会いましょうと、会う最後に言ってくれるのが嬉しい。コーヒーも飲みましょう、お酒ももちろん飲みましょう、時間があれば、映画とかも。と。何より話が聞きたいし話がしたい、あなたとの時間がすごく好きだと顔を覗き込んで言ってくれたあの寺町京極の通りを私は当分忘れない。今はもうBaby Babyを聴いても、知らない遠い誰かを思い浮かべることはしない。あなたがあなたであるところを見ていたい。会話の最中立ち止まって考えるあの人を待つ時間が私は好きだ。

 

これに関しては○○ちゃんしか頼っていないと、重荷をどすんと下ろすように話してくれる友達がいる。歩きながら話す時、前を見て話す私の横顔をいつも見つめるようにして話を聞くあなたを素敵だと思う。いつあなたの方を見ても目が合うあなたのそういう姿勢に救われる人が何人いるだろうと思う。あなたの節々にある配慮のかけらをなるべく多くの人が拾っていてほしいと思う。あなたが熱く追う先をあなたの大切な人が一緒に見つめていてくれるといいと思う。

 

そんな風に、最近は生きていました。

おわり