unknown

フィクションであれ

ウエハースの椅子

父との関係があまりよくない女性が主人公だったけど、私があれを読んで感じた苦しさにそれはあまり関与してなかったように思う。恋人との関係も少し違ったと思う。あれを読んでいると、自分がこの現実世界に生きてる人間じゃないように思えて、急に孤独に思えた。うまくなじめてなくて、目の前にいる相手とか、隣に座ってる人とかすれ違う人とかと常に距離があるように思えて寂しくなった気がする。今の私にはそうじゃない向こうの世界に手を引いて連れて行ってくれる人も手招きして待っていてくれる人もいない気がした。私にとってそういう存在になる人は、きっと私が好きになる人なのだとも思った。それは彼女と彼の関係性を読んだからかもしれない。この本の主人公の彼女にとってのそういう存在があの恋人だったようにも思える。私の感じた孤独はそこまで的外れな感想ではないと思いたい。違うのは、彼女は閉じ込められていたけど、私はずっと宙に浮いているというところと、彼女は恋をする孤独だったけど、私の場合ある孤独は恋で埋まるかもしれないということ。